学習心理学

丸つけがうまくできないのは何で?それはどう対応すればいいのか?

中学生になると、テスト週間の課題や日常の宿題は、自分で丸つけすることになります。

指導をしていると、そのような丸つけ時に、子供たちが不正確な丸つけをすることに何回も遭遇します。
数学であれば、プラスマイナスの記号の間違い。
国語や社会であれば漢字の間違い
英語であればスペルや、一単語抜けているなどの間違い。

これらを放置することは問題です。
なぜなら、生徒が誤った学習を行なっているのに、放置することで、誤った学習を正す機会が失われてしまうからです。
結果として、テストで誤った学習成果を思う存分発揮することになるでしょう。

そのため、これらの丸つけの正確性向上を図るための支援策が重要になってきます。

さて、ところで、私が指導で感じる不正確な丸つけは、実際に存在することなんでしょうか?
研究分野で指摘されているのでしょうか?
先行研究を読み漁ったところ、私が調べる限りでは、そのような不正確な丸つけの有無について直接的に検証した研究は見当たりませんでした。

ただし、そのようなことが起きていることを示唆する研究は何個か見つかりました。
具体的には、Postdiction(事後検知?正確な訳語が見つかりませんでした)に関する研究です。
これらの研究では、学習者が問題を解いた後に、解けているかどうかをどの程度正確に学習者が判断できるかを調べています。
そして、その分野では、解けていない問題を解けた問題と勘違いすることが、とりわけ学業成績が低い生徒にはよく起きることであると指摘されています(Labuhn, 2010; Shake & Shulley,2014)。

これらの研究は直接的に不正確な丸つけを中学生が行うことを示しているわけではないです。
しかし、これらの研究を踏まえると、生徒たちが自分の回答があっている前提で適当に丸つけをすることも考えられます。
そして、適当に丸つけをすることが、不正確な丸つけにつながっているのでないではないでしょうか?

これ以上、不正確な丸つけが起きているか起きていないかは、調査しないとわからないので、存在すると仮定した時に、どのような対応をすれば改善されるのでしょうか?

一つは、丸つけに誤りが生まれやすいことを伝えることかな?と思います。
Postdictionの研究ではありませんが、問題を解くに問題に正答できるかどうかの判断の正確性を高める研究にそのヒントがありました。Miller & Geraci(2011)では、生徒に正誤判断が不正確で過剰にあっていると思うことがあるので、気をつけるように指示したところ、判断の正確性が高まったことが報告されています。このことを踏まえると、正誤判断が不正確で過剰にあっていると思うことがあるので、気をつけるように指示するだけでも改善される可能性があります。

他にも、丸つけの際にどのような間違いが生じやすいかを生徒に細かく伝えることも考えられます。
例えば、英語のスペルミスは多いからねなど、具体的な事例をそれぞれの教科に合わせて提示することで、その点を注意深く見るようになるかと思います。一つ目の対処法よりは手間がかかりますが、具体的な事例リストを一度作成すれば、何度も使えるので、比較的低コストで実現可能かと思います。

さらには、生徒間で相互に丸つけを行うこともよい手段じゃないかな?と思います。
友達の回答の丸つけに責任を持つことで、適当にやることはできなくなる、かつ、自分の回答ではないので、自信過剰に丸つけをすることも無くなるので、改善されるかな?と思います。

いずれもやってみないと、どんな効果が生まれるかはわかりませんが、今度犬山で学習塾を始めるので、いろいろ検証してみようかなと思います。

引用文献は全部無料で読むことができますので、ご興味ある方は是非。

引用文献
Miller, T.M., Geraci, L. Training metacognition in the classroom: the influence of incentives and feedback on exam predictions. Metacognition Learning 6, 303–314 (2011). https://doi.org/10.1007/s11409-011-9083-7
Labuhn, A.S., Zimmerman, B.J. & Hasselhorn, M. Enhancing students’ self-regulation and mathematics performance: the influence of feedback and self-evaluative standards. Metacognition Learning 5, 173–194 (2010). https://doi.org/10.1007/s11409-010-9056-2
Shake, M. C., & Shulley, L. J. (2014). Differences between functional and subjective overconfidence in postdiction judgments of test performance. Electronic Journal of Research in Educational Psychology, 12(2), 263–282.

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