特別支援教育

小さな数字と量の対応関係の学習支援方法の紹介

前々回の記事で紹介した通り、クラスの数人は該当すると考えられている算数障害。その障害の一つである数の感覚のつまずき(例:数字が示している量がうまく理解できない)。その支援策について今回の記事でも整理・紹介していきたいとおもいます。

数の感覚のつまずきの一つの要因である「具体物や半具体物のおおよその量の把握」の欠如に対応するための支援策について前回の記事では紹介しました。数の感覚のつまずきは複数の要因から生じる可能性が指摘されており(Von Aster & Shalev, 2007)、「具体物や半具体物のおおよその量の把握」に困難が見受けられなくても、「小さな数字と量の対応関係」の習得に困難があり、数の感覚につまずく児童も存在します(Rousselle & Noël, 2007)。

今回は数の感覚のつまずきの二つ目の要因と考えられる「小さな数字と量の対応関係」の習得に困難を抱える児童に対して、どのような支援策が有効と考えられているかについて紹介していきたいと思います。

①数字を提示した上で具体物の数を数え上げる

Chan(2020)では、絵本を用いて、①子供と一緒に動物の絵を数え上げた上で、動物の絵の数を数字を提示して、読み聞かせする条件が②動物の絵を数え上げをせずに動物の絵の数を数字で提示して読み聞かせする条件よりも、数字が表す量の理解、量を見て数字で表す能力がより促進されることが示されました。

市販の絵本だと、こんな絵本(図1)がありましたので、このような絵本を使って一緒に練習すると小さな数字と量の対応関係の学習が促進されるので、必要に応じて活用してみてください。

    図1

 

 

 

②数を扱うボードゲームで遊ぶ

Ramani  & Siegler(2008)では、超簡易版人生ゲームみたいなボードゲームを用いて、子どもが遊ぶことで、数字が表す量の理解が促進されることが確認されました。

市販品が見当たりませんでしたが、大学がデータをオープンにしているので、こちらからダウンロードして自作してみてください。作成するのはそこまで難しくありません。

 

 

 

図2

今日はここまでです。次回は「大きな数字が示す量のおおよその把握」の機能のトレーニングについてお話をしていこうと紹介しようと思います。

参考文献

Chan W. W. L. (2020). Counting Enhances Kindergarteners’ Mappings of Number Words Onto Numerosities. Frontiers in psychology, 11, 153.

Ramani, G. B., & Siegler, R. S. (2008). Promoting broad and stable improvements in low-income children’s numerical knowledge through playing number board games. Child development, 79(2), 375–394.

Rousselle, Laurence & Noel, Marie-Pascale. (2007). Basic numerical skills in children with mathematics learning disabilitie: A comparison of symbolic vs non symbolic number magnitude processing. Cognition. 102. 361-95.

Von Aster, M.G. and Shalev, R.S. (2007), Number development and developmental dyscalculia. Developmental Medicine & Child Neurology, 49: 868-873.

 

TOP